経営者

読めるか、読めないか。企業の健康診断結果「決算書」

決算書は企業の健康診断書

企業の経営活動すべてが数値として凝縮された「決算書」。法人経営に欠かせない存在ですが、これを単なる「利益の報告書」としか捉えていない経営者も少なくないでしょう。

実は決算書は、財務の専門家が「社長の通信簿」「企業の健康診断書」とも呼ぶほど、企業の実態をありのままに映し出す、いわば「数値の鏡」のような書類です。

例えば、健康診断を思い浮かべてみてください。数字だけが並んだ診断結果を見ても、自分の健康状態がどうなのか、何が危険で何が問題ないのかはわかりません。数字の意味や背景を理解したり、医師に解説してもらって初めて、「何が問題で、どう改善すべきか」がわかるのです。

決算書も同じです。「貸付金」「未収入金」といった項目に並ぶ数字の意味や背景を理解できなければ、リスクや改善点、経営の現状を正確に把握することはできません。このままでは、会社の未来を左右する重要な情報を見落としてしまうでしょう。逆に、決算書を正しく読み解く力があれば、経営課題を明確にし、改善や成長に直結させることが可能です。

決算書が語る、社長の経営姿勢

決算書の数字は、会社の財務状況や経営方針を映し出します例えば、決算書に「貸付金」が多い場合、取引先への安易な融資が見て取れます。「未収入金」が積み上がっている場合は、売上を立てる力はあるものの、資金回収の管理に課題がある可能性があります。一方で、貸付金が少なく売掛金の回収も迅速な会社の決算書からは、規律ある経営姿勢と経営者の的確な判断力がうかがえます。

また、貸借対照表(バランスシート)は「会社の顔」とも呼ばれます。資産・負債・純資産のバランスから、借入が多ければ資金計画の甘さが、自己資本が充実していれば堅実な経営基盤が読み取れます。銀行もこのバランスを精査し、融資条件に反映させるのです。

決算書は、企業の健康状態を示す指標であると同時に、社長の性格や経営哲学を映す「数値化された記録」です。数字は過去の意思決定の積み重ねであり、決して嘘をつきません。改善点を示す「鏡」として向き合えば、会社の課題を把握し、未来の戦略を描くヒントとなります。日々の経営判断には、幹部や社員の意見も重要ですし、必要に応じて「財務」の専門家に相談するのも賢明でしょう。

決算書は、会社を強くする道しるべにもなるのです。